革修理｜滋賀県の革修理なら革研究所 滋賀東近江店

みなさんこんにちは！

革研究所滋賀東近江店の桑原です。

今回の修理事例は、

ルイヴィトン財布のアルコールによる染みの補修のご依頼です！

 

それではまず修理前の画像をご覧ください。

こちらの財布、ヴィトン、エピの長財布でよく使われているタイプの財布です。

画像を見ると、一見白っぽい汚れが付いていているだけのように見えますね。

汚れだけの状態なら本体の革がまだ劣化もほぼなくキレイな状態なのでクリーニングだけでもキレイになりそうな感じですよね。

 

しかし、この白っぽい跡は汚れの部類には一応入るのですがただの汚れではなく染み汚れになります。

実物は画像で見るよりももう少し目立つ感じになっています。

そして、この染み汚れの原因となっているのは、、、

そうです、ここ近年よく使うアルコール消毒によるものなのです。

 

アルコール消毒液は何がだめなの？

アルコール消毒液だけでなくマニキュア等に使う除光液やその他のシンナーやアルコール系の溶剤すべてに言える事です。

このような溶剤の液体はその名前に入っている「溶」の通り溶かす成分が入っています。

その為、溶剤の液体が付着してしまうと革製品に使われている塗料やコーティングを溶かしていくのです。

これが原因で今回の財布には白っぽい汚れが付いているのです。

このようになってしまった工程を分かりやすくすると、、、

アルコール消毒液を手に付ける。

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手に付けた消毒液が乾かないうちに財布を手で持ってしまった。

⇓

財布の革表面についてしまった消毒液が表面のコーティングを溶かし染み汚れになった

分かりやすく説明するとこのような工程で染みになっています。

そして、表面が溶けて染みになっているのでもちろんどれだけクリーニングしてもその染みは取れる事がありません。

でもそのままの状態で使うのは手の跡がいっぱいついてしまっているので気になって仕方ないですよね、、、

 

それでは早速修理完了後の画像をご覧ください。

いかがでしょうか！

アルコール消毒液によって手の跡がいっぱいついていしまっていた染み汚れもキレイになりました！

 

修理方法としましては、表面が溶けてしまって跡がついている部分は軽く研磨し跡を出来るだけ目立たないようにし、白っぽい染みは再塗装し、コーティングする事でキレイな状態え蘇らすことができています。

 

溶剤系の液体取り扱いにはご注意を！

前述にも説明した通り、アルコールや除光液等の溶剤は色はげや染みに一発でなってしまいます。

これはどんないいコーティングをしていても防ぐことはほぼ不可能に近いです。

また、今回は手に付いたアルコール消毒液が革の表面に付着したのみでしたので革の表面が少し溶けて染みになった程度ですが、液体が直接、量が多めにこぼしたとなると状況はさらに悪くなってしまいます。

料が多いと革のコーティングや塗装膜を超えてさらに革の繊維の中まで浸透してしまいます。

こうなってしまうと、その液体がしみ込んだ部分のは革の油分が飛んでしまいその部分だけ硬化して革表面が少し凹んだ感じになってしまいます。

こうなってしまうと、変色等は塗装、染め直しで復元できますが、硬化して凹んでしまっているのは復元する事ができません。

その為、アルコール消毒液等使う時は十分ご注意くださいね。。

 

また、除光液で多いトラブルが、

不意にボールペンの跡が革についてしまった、、

という経験がある方も多いのではないでしょうか？

この時ボールペンの跡を消そうと除光液で拭き取ってペン跡を消そうとする方が意外に多いです。

これは間違ってもやってはいけない行為にります。

除光液で拭き取ると、、

ペン跡は多少は薄くなるかもしれません、

しかし、それ以上にその周りの色が剥げてしまうのです。

こうなってしまうともう自分ではどうする事もできませんのでペン跡が付いてしまったら当店のような革製品の修理専門店へ相談する事をお勧めします。

 

このように溶剤系の液体を間違った使いかたをすると取り返しのつかない事態になる場合もあるので取り扱いには十分ご注意くださいね。

 

そして、このようなトラブルが起こってしまった時はお気軽にご連絡くださいね！

 

 

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