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2022/02/23

【ソファー修理】ACTUS アクタス 本革ソファー 全体補修、座面張替え修理

みなさんこんにちは!

革研究所滋賀東近江店の桑原です。

今回はアクタスのソファーで座面破れと全体的な汚れひび割れ等による補修、張り替え修理のご依頼です!

 

     目次    

① それではまず修理前の画像をご覧ください。

② 革の劣化の進行状態

③ ソファー等の革の寿命については。。。

④ 補修跡が残る定義はというと

⑤ アクタスソファー全体補修、座面張替え修理完了後

⑥ 部分的に張り替えた場合

⑦ ソファーを長く使うには

⑧ メンテナンスをすることで

革製品でお困りなら、、、

 

 

それではまず修理前の画像をご覧ください。

全体的に汚れて黒ずんでいる状態で、肘掛け、座面はひび割れが起こっている状態になってしまっています。

肘掛けの方はひび割れと言ってもまだまだ軽度な状態ですのでそのまま補修できる状態ですが、

座面に関しては画像をご覧の通りかなり革の劣化状態が酷く破れ始めている部分などあり、補修、修復はできるのですが革の劣化の状態から補修、修理後の強度が保証できない為座面のみ張替えをオススメしました。

 

本革素材は非常に丈夫で質感の良い素材ではありますが長く使うとやはり劣化が進んできます。

その際定期的なメンテナンスをしているかで革の寿命もかなり変わってきます。

 

革の劣化の進行状態を分かりやすく説明すると以下のようになります。

1.新品状態

2.汚れが付着⇒皮脂汚れ、黒ずみ、染み等

3.汚れが革のシボ(しわ)に定着

4.汚れにより革の劣化が進む

5.革の劣化により座りしわなどに沿って革表面の塗装膜からひび割れが始まる

 同時に擦れなども起こり使用状況によって色はげなども生じる

6.ひび割れや擦れなどに汚れが浸透しさらに劣化が進んでひび割れが深くなる

 擦れ部分などは少し毛羽立ち始める

7.表面のコーティングや塗装膜が剥がれたりして革素材がむき出しになってくる。

8.革素材がむき出しになることで革の乾燥も進み強度がなくなってくる。

9.強度がなくなってきた部分に負荷がかかると革が破れ始める。

10.革が破れ始めるとその周辺は同じように革が劣化しているので連鎖してその周辺が裂けたりして複数個所破れてしまう。

 

といった感じに革の劣化は進行していきます。

補修、修復が可能なのは

上記の行程からいくと

7番くらいまでとなり、この状態で実物の劣化状態を判断し補修なのか張り替えなのか判断します。

8番以降のなると補修することは可能ですがすぐに破れてしまう可能性もありますので保証ができない修理となるのでお客様のご要望がない限り張り替えとなります。

 

自分で出来るクリーニング、保湿メンテナンスできるのは

クリーニング、保湿ができる有効な状態は

4番から5番までが限度になります。

ひび割れが深くなり擦れなども毛羽立ち始めている6番以降になると革の保護している表面がなくなってしまっているのでクリーナーで汚れを落とそうにもすべて革にクリーナーの水分がしみ込んでいきます。

この状態になると革の繊維の中に汚れが浸透していくだけなのであまりクリーニングの効果は得られません。

※アニリン仕上げや起毛革などの革は元々水分がしみ込んでいく革なので染みになる場合もあるのでご注意してくださいね。

 

このことから、クリーニングしてそのクリーナーが革にしみ込んでいく状態が補修、修復をする一つの目安になるかもしれないですね。

しかし、この状態の範囲が広ければ広いほど補修跡がのこったり質感が変わったりするので革の劣化行程からすると5番くらいでご相談いただくのが修理しても補修跡なども目立たずきれいに仕上げる事ができる範囲かと思います。

 

ソファー等の革の寿命については。。。

 

革の劣化進行は使用状況や革の種類とうにもよりますが、ノーメンテナンスで汚れが酷い、負荷がかかる状態で使っている場合早いと5年前後で破れまで進んでしまう場合もあります。

 

逆に普段から定期的にクリーニングや保湿メンテナンス等をしておられる方は当店で修理させていただいたソファーで一番古いものは約40年位前のソファーを修理施工したこともあります。

しかも張り替えではなく補修、修復で施工しているのでメンテナスをしているかしていないかでいかに違うかが分かります。

 

ちなみに今回のソファーで補修前にクリーニングをしているのですがどれだけ汚れが付いているかが分かる画像をご覧ください。

汚れが分かりやすいように半分だけクリーニングした画像になります。

全体的に汚れが付いているとどれだけの汚れかが分からないですがクリーニングをしてみると一目瞭然でどれだけ汚れていたのかが分かると思います。

 

この汚れが革の劣化を進めるのと同時に劣化状態が汚れで隠れてしまって分からなくなる原因となっています。

その為、クリーニングをすると今まで分からなかった傷やひび割れなどもたくさんで出来ます。

 

ここで重要なのが定期的なメンテナンスで、

クリーニングで汚れを定期的に落とすことで傷やひび割れ、擦れなどの劣化状態に早めに気付く事ができるので、早めに補修、修理をすることで補修跡などもほとんど目立たない程度にキレイに修復することができます。

 

補修跡が残る定義はというと

上記の革の劣化行程から

5番くらいで軽いひび割れや擦れ、色はげ程度であれば補修跡も最小限に抑える事ができます。

6番、7番くらいの劣化が進み傷やひび割れが深いけれど補修ができるという状態ではひび割れた傷の跡が残ってしまう可能性が高くなります。

また、革のシボ(元々のデザインのシワ)がすり減ってなくなってしまっている場合も復元はできないので状態が悪くなればなるほど補修跡や質感も変わったりしますので気になる方は一度お気軽にご連絡ください。

 

 

前置きが少し長くなりましたが本題のソファー修理の方へ話を戻させていただきます。

それでは早速修理完了後の画像をご覧ください。

 

アクタスソファー全体補修、座面張替え修理完了後の画像です!

いかがでしょうか!

修理前と比べると一目瞭然で違いがわかると思います。

 

さらに分かりやすく修理前後で画像を並べてみると、、、

色合いも全体的に汚れていたので修理後はだいぶん明るい色合いとなっています。

 

座面に関しては革を新しく張り替えているのでその部分は新品同様の状態になっております。

今回の修理では座面のみ張替えてそのほかの部分はひび割れなどありましたが補修、修復、染め直し修理をしています。

 

ひび割れは肘掛けに多少ありましたが軽度な状態だったので目立つ補修跡も残らない状態にすることができました。

 

張り替えに関しては革が修復不可な部分だけ張り替えるので全体を張り替えるよりもかなり費用を抑えた修理となっています。

 

部分的に張り替えた場合あれ??

と思われる方もおられるかと思います。

 

通常の椅子やソファーの張り替え店では部分的に張り替えた場合、その部分と全く同じ色の革はほとんどの場合用意することが困難です。

たとえ同じ色の革があったとしても必ず経年変化により色合いも変色や退色しているので部分的に張り替えた場合、その部分だけ色がずれて違和感が出る事になります。

 

当店では、、

元々補修をしてまた染め直しをします。

その際、変色や退色などしていない部分に色を合わせどんな商品でも調色しその商品に合わせた塗料を作っています。

完全一致までの色合いはさすがに不可能ですができるだけ近い色合いに復元する事が可能です。

その為、部分的に張り替えた場合でもその部分を全体と同じ色に塗装することで同じ色にすることが可能で違和感なく仕上げる事が可能になります。

 

このように当店では革素材を補修、修復、染め直しをする技術があるので様々な修理方法をご提案することが可能でお客様のご予算にあった修理ができます。

 

今回は破れ部分は張替えましたが補修跡や質感が変わってもいいからできるだけ安く治したいという事も出来るだけお客様のご要望を柔軟にご対応しています。

また、最近では古いタイプの応接セット等部屋にあったサイズやデザインのものが絶版となっていたりして同じ感じのソファーが買い換えられないといったお問い合わせも多くそのような場合は補修や染め直し、または張り替えなどでキレイに蘇らすことができまた気持ちよく使っていただけるようになります。

このようなケースの場合はソファーを捨ててしまうとどうする事もできないのであきらめて捨てる前に一度お気軽にご連絡ください。

 

ソファーを長く使うには、

やはり定期的なメンテナンスが重要となってきます。

メンテナンスと言ってもそれほど難しい事ではなく

市販のもので十分なのでクリーナーで汚れを落とし仕上げに保湿クリームなどで油分、栄養を与えてあげるだけになります。

簡単に言うとこんな感じですが、、

 

実際クリーニングををしてみると

クリーナーを布に付けてふき取るだけでは中々キレイにならない場合もあります。

汚れによっては当店がクリーニングをしても取れない汚れは出てくることもあります。

 

汚れが取れにくい部分は

革のシボの凹部分に入ってしまった汚れがおそらく布やスポンジなどでは取れにくい部分であり、かなりの労力を使わないとその部分をキレイにすることは難しいです。

 

ここでワンポイントアドバイスとして、

この部分の汚れは当店ではどうしてとっているかというと、、

 

革靴の汚れ落としなどに使用するブラシを使用しています。

ブラシの毛先により革のシボの奥に入り込んでいる汚れも浮き上がらせキレイに汚れを落とすことができます。

 

ブラシもなんでもいいという事はなくて毛先が固いものだと逆に今度は革の方を傷つけてしまう事になるのである程度毛先が柔らかい物に限りますがこれを使う事によって布やスポンジなどで取れなかった汚れも劇的に落とすことができます。

そのあとに保湿クリームを均等に塗布して完了となります。

 

仕上げの保湿も重要な工程となり、

クリーニングをするとある程度やはり汚れと一緒に油分などもなくなるので革の乾燥やひび割れに繋がる事もあります。

人間の肌と同じように革製品も元は生き物の皮です。

その為、乾燥してくるとひび割れやささくれたりしてきます。

こうなった場合それを防ぐまたは軽減する為にハンドクリームなどを使って乾燥を防ぐと思います。

保湿をしていると人間の場合、常に代謝しているので乾燥しひび割れたりして勝手に修復して治っていきますよね。

ひび割れが酷くなって血が出てくる状態でも時間がたてば自然と回復します。

 

しかし、革製品の場合、製品化されていて人間のようにひび割れたからと言って自然と回復する事はありえないのです。

その為、乾燥してひび割れを未然に防ぐためにもクリームなどで保湿してあげる事が需要で革製品を長く使う秘訣となります。

 

 

このようにメンテナンスをすることで、

定期的なメンテナンスで革の劣も防ぐことができます。

しかし、革製品は製品、あるいは商品になった時から色々な要因から劣化が始まります。

メンテナスをしているからと言って劣化はしないという事ではありません。

長く使うとどんなものでも劣化してきますよね。。

革製品も同じでどれだけメンテナンスをしていても必ず劣化は少しずつ進んでいきます。

しかし、ノーメンテナンスで使っていた場合と比べると段違いでキレイな状態で使える期間は長くなります。

初めの方に少し書きましたが、

5年前後で破れてしまう本革ソファーもあればメンテナンス次第で40年近く使えるソファーもあるのでこれだけでもかなりの違いがあるのが分かります。

 

また、革製品の場合、布生地や合皮レザーと違うのは使い込めば使い込むほど体になじんで風合いなどもいい感じに経年変化します。

これは他の素材には中々ない特徴となりますね。

さらに布生地や合皮レザーは経年劣化でひび割れや破れになると補修することができないので張り替えとなってしまいますが、革製品の場合補修、修復ができるので表面の劣化がきになるようなら補修、修理することでそこからまた革の寿命も伸ばすことができより長く使っていただくことができるので愛着が深まり一生物にする事もできるかと思います。

 

文章では簡単だけどもっと詳しく知りたい!

と思われる方お電話でも結構ですのでお気軽にご連絡ください。

電話のみでも無料でアドバイスさせていただきいただきます!

 

 

今回は本革ソファーの修理事例のご紹介でしたが

布製ソファーや合皮レザーのソファーや椅子のクリーニング、張り替え等ももちろん承っております。

また、鞄や財布等革製品全般の補修、修理も可能でもちろん高級ブランド品もご対応していますので革製品でお困りの方お気軽にお問い合わせくださいね!

 

革製品でお困りなら、、、

お気に入りの革製品、傷、ひび割れ、破れなど状態で様々な修理方法やメンテナンス方法をご提案させていただきます。
また、革製品の修理は高そうだから諦めておられる方是非一度ご予算もお聞かせください。
ご予算内で出来る修理方法をご提案させていただきますのでお気軽にご相談ください!

 

布製ソファー、チェア、椅子、自動車シートのクリーニングも出来ます!

ポルトローナフラウ、カッシーナ、カリモク、アクタスなど高級ブランドソファー修理実績も豊富にありますので安心してお任せ下さい。

 

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修理方法はお客様のご予算に合わせた修理方法をご提案します。

革製品の修理、染め直しは革研究所滋賀東近江店まで!

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